《広尾町を盛り上げる先駆者たち》Vol.6 酪農家・菊地亮太
自然豊かな広尾町の魅力を発信しているピロロツーリズム。そんなピロロツーリズムのＷＥＢ連載「広尾町を盛り上げる先駆者たち」では、広尾町で活躍しているさまざまな分野のプロフェッショナルをご紹介します。
“牛とともに生きる”をモットーとする【菊地ファーム】
2009年に北海道十勝広尾町に新規就農した菊地亮太さんが営む菊地ファームは、放牧を中心とした酪農を実践しています。春夏の放牧シーズンは約13ヘクタールの広大な牧草地と牛舎と行き来自由にしているので好きな場所で好きなように草を食べたり休憩したり、じゃれ合ったりしています。また秋冬の放牧できないシーズンは、牛が自由に歩き回り寝ることが出来る構造の牛舎「フリーバーン」で可能な限り牛がストレスなく生活できるように飼育しています。
放牧やフリーバーンという飼育方法は管理が難しい飼育方法なのですが、どうしてわざわざこの方法で育てているのか＿＿。その答えは「牛はともに生きる家族なので、やっぱりできるだけ心地がいい暮らしを送ってもらいたい」というとてもシンプルなものでした。
牛は愛すべき家族であり仕事のパートナー
菊地ファームの牛舎に入るとまず印象的なのが、興味津々にこちらを見つめる牛たちの目。とても人懐っこくて「一緒に遊ぼう」と言わんばかりに近づいきます。この行動は、飼い主と牛の信頼関係が構築されている証拠。菊地さんやスタッフの方が普段から愛情をたっぷり注いでいることが牛舎の雰囲気や牛の反応を通して伝わってきます。
菊地さん「この子は牧場を始めた2009年に産まれたアイスちゃん。もう12歳になるんだよ。ナスターシャはくいしん坊だよ。あ、ヒナ子にはあまり近づかない方がいいかな、今日は機嫌が悪そうだから。」
ピロロ取材班「全頭に名前がついてて、性格も把握しているんですね！」
菊地さん「毎日一緒にいれば性格も名前も覚えるよ。家族だから。牛からは毎日毎日たくさんのことを教えてもらっているよ。」
牛と人間。飼育者と家畜。そんな風に分けることなく、同じ生き物として愛する想いを感じます。
掃除、餌やり、搾乳という酪農の仕事を作業としてこなすのではなく、牛と菊地さんがお互いに意見を出し合いながら、よりよい環境を作り上げていくようにみえました。
牛とともに生きる喜びを分かち合い、酪農を身近に感じる「KIKUCHI FARM CAFE」
牧場の隣には「KIKUCHI FARM CAFE」が併設され、搾りたての牛乳や手作りのソフトクリームやジェラート、経産牛のお肉を使ったハンバーガーなど菊地ファームで育てられた牛の恵みが味わえます。窓の外に広がる放牧地にいる牛を眺めたり、酪農家でもあるスタッフさんたちとお話したりしながら子供から大人まで気軽に酪農に身近に感じることができるカフェです。
牧場見学の前後でぜひ行ってみて下さい。筆者のおすすめメニューは、肉汁じゅわ～なハンバーグが入ったオリジナルの『ハンバーガー』！ バンズも広尾町でオリジナルでつくってもらったもので、ふわっと小麦の味が香る優しい味わい。味わいは濃厚なミルクだけど後味さっぱりな『ソフトクリーム』、十勝の塩が入った『塩ジェラート』も外せません。
次の世代にも伝えていきたい。酪農家としてのミッション
酪農について知ってもらうため、小学校や中学校の授業受け入れも5年前から行っています。そして今年からは、親子で酪農を知ってもらうイベント「ウシさんちにおじゃまします」も開始しました。牛に牧草をあげたり、放牧地で牛に触れたり、搾りたての牛乳を飲んだり、日常ではなかなか触れ合うことのない牛の生活に親子で触れることができます。
イベントに来た子供たちは、牧場に入るとまずは「牛さん大きくて怖い…」と不安の表情を浮かべていましたが、餌をあげたり触れたりしているうちに表情はどんどん明るくなっていき、最後には「牛さんかわいい。牛さんの乳ありがとう」といった感想が聞こえてきました。
KIKUCHI FARMは、牧場やカフェという枠にとらわれず、ピロロフェスの主催を行ったり食育イベントを新たにはじめたりと幅広いチャレンジをすることで、パワフルな人たちが集まる広尾町のコミュニティースペースでした。そして、菊地さんは酪農を次世代に伝えるという熱い思いをもちながら牛に寄り添う酪農を実践していました。
写真提供・KIKUCHI FARM
文・中村麻矢
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菊地さん×ピロロ企画
・ウシさんちにおじゃまします
親子で学ぶ牛舎見学&牛ふれあいツアー
搾りたて牛乳試飲付き
不定期開催、所要時間約1ℎ、1家族3000円
・牧場散歩
ちょっと見てみたいあなたへ。1人1000円
搾りたて牛乳試飲付き、所要時間0.5～1時間
詳細は01558-2-0008にtelしてみてね！
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